ついったで「小説書きます！」と、ある方に約束したので清三小説書きました！初めて書いた！！

続きからどうぞ。

三成と喧嘩した。喧嘩するのはそれほど珍しいことでもないが、如何せん今回はその終わり方が酷かった。

そもそも始めは俺の家で２人楽しく酒を飲んでいた。三成はあまり飲めるほうではないが、この日は珍しくいつもより酒が進んでいた。段々と頬が朱色に染まってきて、瞳もとろんとしている三成を『可愛いなぁ』なんて思って見ていたのだが。

どうやらこいつは酔うと愚痴っぽくなるらしい。酔うと甘え上手になる、とかキス魔になる、とか、そういう色気のあるものをちょっとだけ期待していたんだけど。(いや、でも俺以外の男にやられたら困る)

愚痴が始まったときは「はいはい」なんて軽く受け流していたのだが、それが三成の癪に障ったのか、愚痴のターゲットが俺に変わった。お前はいつも人の話を聞いていない、とか、もう少し人目を気にしろ、お前と一緒にいると恥ずかしい、馬鹿、などと言い出した。

今思うと俺も大人気なかった。酔っぱらいの愚痴だって気にしなければよかったのに、三成の言葉の節々に刺があるから、気に入らなくてついカッとなって応戦してしまったのだ。それからは三成が怒って出ていき、俺は後片付けもしないままの部屋で一人残されたのだった。





そんな最悪な日からもう10日も経つが、三成とは全く顔を合わせていない。意地を張らずに俺が「ごめん」と謝ればそれで済む話だと、わかってはいる。ただ、『なんで俺が謝らないといけないんだ』『いつも謝るのは俺の方だ』『先に引き下がったらまたあいつの思い通りだ』とか、くだらないプライドが邪魔をしている。

あの日からほとんど変わっていない雑然とした部屋の中で、三成が読んでいた雑誌をふと手に取った。こういうときだからこそ、いつもはくだらないと思って読まない相性占いのページすら女々しくも気になってしまう。自分と三成の誕生日を照らし合わせて相性をみる。

“相性32％ 相性はあまりよくないかも。お互いに譲りあえないのでケンカになりやすいカップル”

現状に当てはまりすぎている結果にどっと情けなさが増す。やけになって雑誌を放り投げ、身体を仰向けに床に寝転ぶ。


三成は今どうしてるだろうか。そういえば喧嘩別れしたあの日は、ちゃんと一人で帰れたのだろうか。変な男に絡まれたりしていないだろうか。


自分の彼女だからと贔屓目で見ずとも、三成はとても可愛いらしい容姿をしている。澄ました風にしていてもそれが妙に様になっているほどの美少女と言える顔立ちだし、スタイルだって手足が細長く、守ってやりたくなるような華奢な身体で、欠点など見つからない。(まぁ、胸はもうちょっとあってもいいとは思うが。そこはこれからに期待だ)


そんな可愛い三成だからこそ、どうしようもなく心配になる。三成を狙っている男なんて、心当たりがありすぎてしょうがない。俺がいない間に三成を奪おうと考える輩は絶対にいるだろう。

“まさか、こうしてる今も既に…”


浮かんできた不安。頭の中の三成が俺への不満を俺以外の男に愚痴りながら酒を飲んでいる。

『あんな甲斐性無しの男はもうごめんなのだよ…。』
『俺なら三成さんを幸せにできますよ、あんなガキよりね。』
『うん…。』
『あなたのためにホテルの最上階スウィート予約してあるんです、酔い覚ましに行きましょうか？』
『うん…。』


「だぁーっ！！誰だよその揉み上げオヤジ！！ってかついて行ってんじゃねぇよ三成！！」


俺は馬鹿だ。一人でこんなどうしようもない妄想して、一人で声を荒げて。謝ってしまえばいいじゃないか、妄想が現実になってしまう前に。くだらない意地を張って一人で飲む酒より、謝って仲直りして、三成と二人で飲む酒の方が美味いに決まってる。こうして引き下がって自分から謝れる俺のほうが三成よりもずっと大人だ。よって早く謝ってしまえば今回のバトルの本当の勝者は俺だ。

そう自分に言い聞かせ、携帯電話を手に取りメモリーの1番である三成の番号を発信する。

『もしもし、何の用だ清正。』
「三成…あのな、これから」


飲みに来ないか？



この後、またまんまと三成の思い通りになっていることに気付くまであと37分。


fin.







ス.キマス.イッチ　「飲.みに来.ないか」 より妄想。

[4回]